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鮨、徹底解剖。その2

グルメ

魚徳


苫小牧市錦町


地場や近海の魚にこだわり地元の有志や政治家も通う老舗

◉日高出身、18歳から寿司業界へ

私の出生地は日高町で、15歳までそこで育ちました。当時は何故か寿司職人にはなりたくという思いを持っていました。片親の子供として育ち、野球が好きで特待生にも選ばれたのですが、結局学校には通わずにこの業界に入りました。

15歳から3年間は浦川で寿司修行し、その後18歳から10年間東京と神奈川で働きました。そして、27歳のときに北海道に帰郷しました。母親も田舎から苫小牧に移ってきたこともあり、私も苫小牧で独立し、今年で44年になります。

ただ以前のお店はここから少し離れた住宅地にあり、当時、苫小牧には「苫小牧の御三家」と呼ばれる大きな寿司店が3軒あって、市内を独占していました。当時は100軒以私は苫小牧の錦岡で生まれ育ち、高校は苫小牧中央高校の野球部に所属していました。

そこで魚徳のオーナーが審判として来場しており、野球を引退した後、「アルバイトに来てみないか」と声をかけていただきました。それがきっかけでアルバイトとして入社し、卒業後に正社員として勤務し、現在で約10年が経ち、今年で31歳になります。実に10年以上にわたり、アルバイトから社員としてこの店に勤務しています。

修行時代のエピソードや苦労話と言えば、友達と遊ぶ時間がほとんどなかったことですかね。若いときに遊びたいと思う時期に、仕事が忙しかったため友達と過ごす時間が限上あった寿司屋も、今は20軒ほどしか残っておりません。時が経ち、御三家と呼ばれる大店がなくなったことで、地元のお客様が私たちのお店にも増えたと感じます。

基本的に、私たちの寿司商売は価格を見て仕入れるか、それとも価格に関係なく品質を重視して買う、という2つのアプローチに分かれます。私は価格よりも品質を重視しているため、もし商品が割高でも、良いと思ったものを仕入れています。なぜなら、そういった寿司を求めるお客様が長年お店に足を運んでくださっているからです。

実際、私としては高価だとは思っておらず、良い素材を適正価格で提供しているつもりです。また、最初にお店を始めた当時、自己資金で中心街に店を構えるのは経済的に難しかったため、住宅地を選びました。

創業場所は、ここからさらに100mほど住宅地を進んだところでした。お店を現在の場所に移転したのは30年前のことですが、長いお付き合いのある業者から「場所はあまり関係ない。ちゃんとした商売をすれば、遠くからでもお客さんは来る」というアドバイスを受けました。しかし、この場所でもやっぱり中心街から遠いと感じることは未だにあります。

数え切れないくらい「ここが中心街だったらよかったのに・・・」と思ったことがあります。でも、年齢的に私が現役の間に中心街に店を移すことは難しいと思います。ただ、私の跡を継ぐ店長が、もしこの先30年近く重瀬を続けていくつもりなのであれば、やっぱり念願の中心街に店を移して欲しいと思っています。

もし中心街じゃないとしても、グランドホテルニュー王子のあたりとか。最低でも2000〜3000万ほど売り上げは伸びるのではないかと思っています。私は71歳になるので、今から億単位の借金を抱えるのは大変じゃないですか(笑)。なので、残り4年ほどでお店を譲り、そのあとは野球など新しいことに挑戦しようと考えています。


◉高卒アルバイトから店長。そして2代目候補の逸材。31歳中川さん

私は苫小牧の錦岡で生まれ育ち、高校は苫小牧中央高校の野球部に所属していました。そこで魚徳のオーナーが審判として来場しており、野球を引退した後、「アルバイトに来てみないか」と声をかけていただきました。

それがきっかけでアルバイトとして入社し、卒業後に正社員として勤務し、現在で約10年が経ち、今年で31歳になります。実に10年以上にわたり、アルバイトから社員としてこの店に勤務しています。修行時代のエピソードや苦労話と言えば、友達と遊ぶ時間がほとんどなかったことですかね。若いときに遊びたいと思う時期に、仕事が忙しかったため友達と過ごす時間が限られていました。

しかし、仕事自体に関しては、先輩からたくさんのことを学び、苦労とは感じませんでした。仕事が好きだったため、休みや友達との時間が制約されても、仕事に対する苦労はありませんでした。逆にやりがいや嬉しいと感じることは、お客様が私のカウンターを選んで座ってくれるととても嬉しい瞬間です。

お客様から「今日はこちらに座りたい」と言っていただくと、少しオーナーには悪い気もしますが(笑)、非常に嬉しいです。取材でこんな事が言えるのもオーナーの人徳であり、私にとって師匠でもあるからです。

仕事に関しては厳格ですが、プライベートでは親しみやすく、父親のような存在です。

取材者:オーナーが、御年71歳ということで、将来的には中川さんにお店を引き継いでいくとお話しされていたのですが、この件についてはどのようにお考えですか?魚徳さんや苫小牧の寿司店に関して何かビジョンはありますか?

中川さん:いろいろな野望を持っています。このお店に関しては、江戸前寿司や寿司文化を尊重しつつ、新しいアプローチも取り入れていきたいと考えています。また、苫小牧や北海道全体において、職人さんの高齢化が進んでいるため、もっと寿司文化を発展させ、若い職人たちの育成に力を入れたいと思っています。

道内でお寿司と言ったら小樽とか札幌といったイメージが強いのですが、苫小牧にも港があり、多くの新鮮な魚が揚げられます。ぜひ、地元苫小牧の魚を楽しんでいただきたいです。

札幌はどちらかというと日本海の魚で、苫小牧は太平洋側の魚です。太平洋側のお魚にも魅力はたくさんあるので、魚屋さんともうまく連携をとりながら、魅力を発信していけたらと思います。

また、苫小牧は観光にも交通の便も良く、多くのポテンシャルを秘めた場所です。室蘭方面、日高方面にも簡単にアクセスできますし、空港やフェリーターミナルも近いです。そのポテンシャルを最大限に活かすため、地元や地域外からのお客様にも楽しんでいただけるお店に育てていきたいと考えています。

岩渕:中川さんの個人的な目標や野望はありますか?

中川さん:街に移転することも考えてはいますが、もっと従業員が増えるのであれば2店舗目も出店したいと思っています。地方のお客様からも「千歳にもお店を出してほしい」と要望をいただくことも多いです。苫小牧は横長の形をしているので、西と東に魚徳を構えることができれば、お客様が喜んでくれるかな、と考えたりしています。

岩渕:お二人共ありがとうございます。最後に、苫小牧の市民に向けてお伝えしたいことがあれば宜しくお願い致します。

齋藤さん:ぜひ、一度私たちのお店をお試しいただきたいと思います。何かお祝い事など大切な日に、当店の料理を楽しんでいただければと思います。

中川さん:特別な日やお祝いの機会にはぜひ魚徳をご利用いただきたいです。ただそれよりも、地元の方に地元の魚をもっと多くの方に楽しんでいただきたいと思います。例えば、ニシンは地元の魚でありながら、意外とその魅力を知らない方も多く、食べた事がない人が多いです。そのような地元の魚をもっと知っていただき、楽しんでいただけるよう努力しているので、地場苫小牧で取れるお魚もとっても美味しいので、ぜひ味わっていただきたいです


魚徳技術 × 地場の魚

◉リピーター続出のこだわりのうなぎ

こだわり抜いたうなぎは背開きにし、白焼きにしてから蒸しあげて特性タレを付けて焼き上げてます。

◉店主おすすめのきんき料理

お店でしっかり味付けした仕事のしてある料理です。網走または羅臼産のキンキを使用し、「きんき料理コース」というのがあるくらい、多くのお客様からご注文いただくおすすめの料理です。

◉店主おすすめの八角の握り

◉ニシンの握り

◉松コース

◉魚徳天ぷら善

◉刺身盛り合わせ


・インタビュー

榊収治

日高生まれ、中学を卒業して15歳から寿司の世界へ。

18歳からは東京や神奈川で修業し、27歳で帰郷。地場の太平洋の魚を提供することを心がけ、苫小牧で独立して現在44年目の老舗の名店。


・店舗情報

魚徳(うおとく)

〒 苫小牧市春日町2丁目1−2

TEL 0144-36-8376(御予約は電話のみ)